ここ数年の間に、ＳＮＳで話題になっている円筒分水槽。なんだか、聞きなれない言葉ですよね。

円筒分水槽とは？
農業用水などを一定の割合で正確に分配するために用いられる利水施設。円筒状の設備の中心部に用水を湧き出させ、円筒外周部から越流、落下する際に一定の割合に分割される仕組みとなっている。
引用：ウィキペディア（Wikipedia）より

簡単に言うと、農業用水を自動的に公平に分配することのできる施設って事になるのかな？ 昔は、日照りの年になると、用水不足に悩まされ、水争いが絶えなかったそうです。生活に密着した、水の分配施設でありながら、その姿はとても美しく１度見ると、その趣に魅了されますよ。今回は、県内で最古で最小の円筒分水槽、赤祖父円筒分水槽へ行ってきました。

日本一美しい円筒分水層の記事はここから

赤祖父円筒分水槽

場所は、南砺市川上中。旧井口村にあります。

ナビを頼りに、旧井口村までやってきました。

近くには、トナミロイヤルゴルフ倶楽部があります。ゆ～ゆうランド花椿って温泉施設もあるようですね。

とにかく、のどかな山道を走ります。

途中、ちょっと心配になってきました。

噂では富山県にしかない、用水だ！の看板がありました。

え？ こんなところにと思うような、道路脇にありました。

駐車場らしき場所

とりあえず、近くにアスファルト舗装がしてある場所があります。特に、誰もいなかったので、ここに停めて歩きました。

記念碑もあります

造られた方の石碑でしょうか？ 記念碑が建っていました。

赤祖父円筒分水槽の様子

どうですか！ この美しいフォルム！ もうね、どれだけでも見ていられるのよね。

訪れたのは、2021年6月初旬。田んぼに水が必要な季節、５月～７月頃に来ると水量が多く、見応えがあると思います。以前、稲刈りが終わった10月に、魚津にある東山円筒分水槽を見に行ったら、水が流れていなかった事があったんですよね。

YouTubeに動画もアップしてみました

またまた、下手くそなノーカット動画をアップしてみました（笑）

登録有形文化財に指定されています

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円筒分水槽の横には、看板が設置されていました。赤祖父円筒分水槽は、砺波平野における戦後の稲作の発展を支えた、貴重な農業土木遺産として評価され、2020年4月に国の登録有形文化財に指定されました。

赤祖父円筒分水槽の歴史

かつて、赤祖父川には左岸14口、右岸20口の用水の取り入れ口があり、その用水を管理する赤祖父水郷12ケ村の代表が毎年数回、寄り合って協議し、取水を時間割とする方法で水の分配を行っていました。
しかし、日照りの日々が続く年は、寄り合いが10数回にも及んだり、水争いがたびたび生じ、傷害事件の発生も稀ではありませんでした。

昭和20年に待望の赤祖父ため池が完成し、それまでの人手による分水には限度があることから、一定の水量に案分する円筒分水槽が昭和24年（工事費：167,000円、設計者：農林技師 遠藤清之輔）に設けられ、長く続いた水争いが解消されました。

アニメのシーンのロケ地にもなってます

南砺市限定で視聴ができるアニメ、「恋旅〜True Tours Nanto」。そのアニメを手掛けた監督の西村純二氏が、赤祖父円筒分水槽を訪れた時、「どこまでが人工物で、どこから自然なのかわからないところに惹かれた」と言い、ずっと円筒分水槽を見入っていたそうです。
そして、その言葉はそのまま、南砺市限定で視聴ができるアニメ「恋旅〜True Tours Nanto」匠と夏子 後編で、使われたそうです。

南砺市の風景がモデルになったアニメ作品や、その場面を紹介するサイト「アニ旅なんと」で紹介されています。

まとめ

いかがでしたか？ 県内最古で最小の円筒分水槽。とても風情があって、癒されるんですよね。この円筒分水槽が建設されたおかげで、水争いがなくなり砺波平野の稲作の発展を担ったと思うと、歴史を感じ、なお感慨深いものがありますよね。県内には、あと４つ円筒分水がありますよ。貴方も、円筒分水マニアになってみませんか？